それまでぼくはマイケルジャクソンを忘れていた。 うかつにも、とかではなく完全に忘却していたのだ。もう過去のひとというより、消えていたといったほうがいいかもしれない。おそらく彼はぼくの中で1990年代の終わりごろから少しずつ死んでいたのだろう。そして、亡くなってしまった親しかった友達のことを忘れるように、ぼくは彼のことを忘れていた。 あのときまでは――。
「あなたにとって美しいものとは?」 と問われて、何を思い出すだろう。 このギャラリーのオーナーさんは、わたしの学生時代からの友人でもあるのですが、 何かブログ的なエッセイをこのコラムでと依頼されまして、いろいろと話し合っているうちに、お題として浮かび上がってきたのが、この「美しいもの」でした。
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